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Xenosaga III 雑感


 一週間前になりますが、クリアしました。
 うん、もはや堕ちるところまで堕ちて玉砕必至な未来予想しか悲観できなかったEP2から考えれば、よくぞここまで持ち直せたな! あちこち手放しで褒められないところもあるけどな!(笑)

 Xenosaga III / Xenosaga III OST / Xenosaga II OST

 それにしてもイベント再生機能、あまりにも便利すぎる……ムービーだけじゃなく、リアルタイムイベントも全部まとめて再生してくれるって、気が利きすぎで怖いくらいだ。何処からでも見たい放題だ。これで見れないのはボス戦中に発生する特定キャラとボスとの挿入会話くらいじゃないかしら。

 以下、思いつくまま雑感。
 偏っていたりする発言も多々含まれますので御留意ください。
 私的感覚>EP1ヨシ、EP3そこそこヨシ、EP2屑、音楽はオール贔屓。

反転/*/
 アシェルで引き返すジン兄さんとのお別れとか、ちょっと小柄になっているように見えるのはサブで維持するためなのかしらな曙光とのエンカウントとか、一皮むけたアレン君の脱出時の大活躍っぷり!とか、普通に感動しましたよ。
 特にアレン君が良いですねミクタム地下編のアレン君はとにかく輝いている。世界は君のためにある。アレン君サーガ。啖呵の中でEP1デュランダルパークでのケイオスとの会話を思い出させる発言もあったため、KOS-MOSがアレン君の言葉に共感し賛同を表すシーンはちょっと本気でドキドキしました。マリア覚醒前の煮え切らなさでシオンに拒絶されてしまったところから、ケビンに対するぶち切れた啖呵とシオンへの説得へと続き、脱出時はシオンを助けるために勇ましくグノーシスへ突撃を敢行しちゃう流れが、もう。思わずテレビの前で沸き返る私と弟(笑)
 惜しむらくは、ついに最後まで制服のまま来てしまったことですか……がっくり。資産家の出なので安っぽくはないけどやっぱり何処か野暮ったい私服を切に希望します。

 ジン兄さんは、まさかアシェルを操縦してくれるとは!(笑) こういう小ネタで仕込まれているファンサービス、好きですよ。直接的にはほぼ語られず終いな要素が多かったジン兄さんでしたが、EDでのこの命の使い方が、かつて間に合わなかった両親やシオンへの後悔、同じように移民船団の血筋を引きながらペレグリー曰く「自由」だったが故の断絶への、結末なんでしょうか。
 万能型とはいえルベンのように近接特化されていない機体で、損傷も激しく目視のみで、グノーシスを薙ぎ払っていた強さはさすが人外ばかりと並んで旅した兄(笑) そういえばマリアの意識覚醒後に襲来したT-elosに兄妹連係攻撃やってましたよね、あのシーン好きです。閑話休題。あれだけ致命傷を負いながら静かに息を引き取ったシーンは、しんみりしました。

 しかしアシェルのみ補ジェネレーター搭載という展開はこのラストのためでしたか。やっぱり私はハカセの本筋シナリオへの侵蝕は許容できませんけど。サブシナリオからメインシナリオへの侵蝕の始め方が巫山戯すぎだった第一印象最悪のせいかしら。まあEP2のせいですねそうですね。


 シオンの癇癪。先日にもちょっと触れましたが、DSのアレン君のサブイベントの台詞起こしを読んで補完しちゃってるからというのもあるかもしれませんが、さほど不自然な印象は無いというか仕方ないよなぁと思えるので、特に気に障るほどではなかったです。最後は頑張ってたし。ジン兄さんとの別れで泣き崩れた時とか、荒みきってた頃の発言を踏まえてるし。
 でもやっぱり、序盤S-Dとかでのミユキへの態度だけは納得いかん……やっぱりシオンの仕打ちが理不尽だ。最後に曙光のミユキから通信に入った時のシオンの反応とか、まったくもうミユキはミユキだなぁってのがミユキなんですよね。まあ、始終ツンケン無闇に尖りっぱなしで、何かころころ会話を転がすついでに「ハイハイ、ありがと、感謝してるわよ」とめっちゃ棒読みで一応お礼挟んでみたりとか、緩むシーンが無かったのが、ざらついてしまうんだろうな。

 んで。今し方、EP1のダイジェストムービーを見ていて気づいたんですが。
 シオンのフラッシュバックに出てくる、フェブロニアを食っていたレアリエンはアスラと同系統っぽい外見の、でもその後の病室で現れるEP3アスラそのまんまなアスラとはまた別タイプのレアリエン。色もモスグリーン入ってる。
 シオン母の病室で、ベッドの上で死んでいる母親、壁により掛かって死んでいる父親、……もう一人、俯せで斃れているこの人は、誰だったんだろう。EP3で登場したU-TIC研究員制服にも似てるような、EP2発売前の頃は確かU.R.T.V.の制服に似ていることでも騒がれていたこの人は結局、誰だったんだろう。


 ケイオス。EP2ラストでの決意もヴィルヘルムに軽く流されて然りという感じに、最後まで大人しかった……それでも、ループ期間がはっきりとはしないものの(ツァラトゥストラでループさせているなら、ツァラ以下略が完成した時点まで遡ってループさせているのかな?)ゼーガペインのセレブラントみたくループからは外れている存在のような気がするので、伴侶を失って、力のほとんどを封じられて、そして時にアニマの器に人が飲まれていくことにもどうしようもなかったりの傍観者で。それでも、明らかに人外でも不思議な人ねーで片付けてしまう人外魔境パーティで一緒に頑張ったり騒いだりしていたこの僅かな時間が、幸せだったのかもしれない。
 武器落下に怒鳴るJr.へ思わず「ごめん…」と謝ったケイオスが好きです。

 その直後にアシェルが上空を横切ったし、ちょうどカナンとケイオスが降下してきた頃がこのタイミング。もうじきそっちはジン兄さんと出会ってしばらく行動を共にして、マーグリスと遭遇後、ジン兄さんは父親から預かったデータをカナンに託して父親の呼び出しに駆けつけたものの両親の死には間に合わず、何とかシオンだけは助けられたと。ということは実際の過去でアスラを屠ったのはジン兄さん?
 何はともあれミルチア最後の夜は、EP2で見たイベントと交錯する本来時系列を追いかけると、また楽しい。DS版でわかることも頭に入れているといっそう面白い。ジン兄さんは第二次で降下してプロトオメガぶっ壊しに参加していたとか。ニグレドがユーリエフを殺したのは第二次降下作戦発動後かつ第三次発動直前とか。セラーズが歌声装置で軌道上へ脱出する直前に、歌声の最下層でルベドは意識を失っていてアルベドとニグレドが戦って、歌声装置の中に残されたアルベドはキルシュヴァッサーと出会い、ルベドとニグレドは落下した先でアシェルに回収されたとか。

 ところで、ふと気づいたら凄く気になり始めたこと。
 この現象はいったいいつからなのか、ミクタムのイベント中、画面の何処にもケイオスがいなくなっていることがあるのは何故? カメラが引いて他の全員が画面に入っていても、いない時にはいないんだ。何処にもいないんだ。でも、ふらっと画面にまた映ってきたりするんだ。ケイオスだけ。
 ……何故?(笑)

 KOS-MOS/マリア。ある意味、今作は三役ですね声。覚醒後は戦闘の台詞も一新されるので、ちょっとドキドキ。だってマリアの声音はちょっと反則ですよ。相転移砲の胸部パーツ展開も、あれはドウヨ(笑)
 覚醒前なら、過去ミルチアのクライマックスでケビンが現れた時、ケビンの命令をきっぱり拒絶して、ケビンの作ったKOS-MOSはT-elosに破壊されました自分はシオンとアレンに作られたKOS-MOSですと飄々と言い返す辺りが大好きです。こういう微妙な皮肉った言い方とか、ああKOS-MOSだなぁって気がしませんか。
 覚醒後はもう憂いげなお姉さんでしたが、アレン君を助けた時は感動したさ!

 アベルとネピリム。ネピリムがエレハイムになったのは吃驚だです。そしてその姿に見入っているアベルに、接触者を感じてしまいました。

 そしてJr.。すっかりストーリー上でもリーダーだなぁとしみじみ思う私は非常にリーダー属性萌え。ええもう属性萌えですよ今まで主人公/リーダー系キャラにどれだけ落ちてきたことか。竹田氏にもJr.を主人公にすると話がとても動かしやすいと言われたことがあるそうですね。
 ルベドとアルベドとニグレドの結末にはちょっと感動してしまいました。テスタメントになって恐怖の狂気から解放されたアルベドはいろいろ吹っ切れて、素直に前向きに自分の二番目の望みを果たそうとしていたので、なんか清々しかった。というか本当にルベドが大好きなんだな!というのがわかりやすすぎるのも可愛かった。DS版によるとアルベドって14年前のミルチアで、ニグレドと戦って重傷を負っていたところをキルシュに助けられて、その時にキルシュをサクラと見間違えて「何でおまえ、死んじまったんだよ」「ルベドのためにおまえは死んじゃダメだったんだよ」と言ったらしくて……いやもうだから何でEP2は以下略。

 ルベドとアルベドとニグレドのシーンに流れている曲ってサントラでは「when the grief lets you go」と名前が付いているのですね。あえて「別れの痛みが君の背を押して」と訳させてもらおうニグレドの死が歪んでいた二人の時間を未来へと促したのだと解釈しよう!

 で、結局、実年齢相応の姿はあれだけさーと。EP2の頃に、でっかい版で戦闘に云々という話がこぼれていたのにな。エメラダだったら良かったのにな。でも、ED以降は二人の不死身の能力もJr.のレッドドラゴンも安定して、Jr.も身体的に成長を始めるのですかね?
 あともう一つ、猫のガイナンの話はとうとう消えっぱなしでしたか……


 『絶対者への反逆、支配からの脱却と自立』という構造は、割と綺麗に収まってると思いました。以前ネットでDSのアレン君のサブイベントの台詞起こしを読んで、それを踏まえてEP3のアレン君を見ているとどうにもアレン君贔屓になってしまうので、余計(笑) いやもう余裕ぶちかましていたケビン先輩の、振られた後の狼狽えっぷりは見物ですね(笑)
 Jr.とシオンとアレン君と、エルザクルーでの旅立ち。宇宙の滅びを回避する根本的な解決はこれから探さなければいけないけれど、繰り返しではなく先に進み続ける未来。玉砕必至でEP3を始めたけれど、肯定的に終われて、良かった。無限の可能性という希望の表現とか、クサイくらいがちょうどイイ。

#絶対者の支配からの脱却。神の手によるループはクリスタニアを思い出しますし、最近ならアビスもこれですね。絶対者はヴァンであり滅びの預言だった。個人的には、アビスはテーマを詰め込みすぎでブレがちで、あちこち中途半端に最後まで語り切れていないという印象がなきにしもあらずなので、EP3のケリの付け方はちょっとすっきりしました。ゼノサは過程の膨大さも過程の言葉足らずもアビス以上ですが、最後は一応ちゃんと締められたなと感じたので(笑)


 シナリオ。EP2からよくぞ持ち直したと思うくらいには、マトモになっているかと。EP2ではイベントの欠落が激しく(サクラの死が抜けてる辺り、救いようがない)随所で筋すら通っていませんでしたが、EP3ではシーンの欠落程度になっているのではないかと。あと一言足りないなぁとかフォローが足りないなぁとかレベルは散見しますが。
 ただスキエンティアはごっそり削られてますね、ドクトゥスはカナンへの絡み方やスキエンティアの設定から考えると、おそらくジギーとカナンの話を動かすスイッチになっていたと思うのですが。そもそもドクトゥスの中の人ってスキエンティア創設者で、ジギーとラクティスの元同僚、でいいんですよね? なんか正体不明のまま終わってしまいましたけど。高橋監督直轄のパイドパイパーがあった分、本編でのジギー周辺の話は優先順位が下がっちゃいましたかね。

 それ以外でも、たぶん一足飛びに話や種明かしが進んでいる部分については、前置きが削られているんだろうなぁ。ミルチアの本来の事実と再現された際に変化した部分の差違/今までばらまかれていた断片情報との不一致も、流されてしまってるし。
 とにかく骨組みを時間内に語りきるのに必死で、肉付けのない状態になっている部分は少なくないのではないでしょうか。そういうところは投げっぱなしEP2のツケだなぁ。DBに名前が登場しながら項目が出てこないアルマデルもミッシング登場キャラでしたし。

 言葉遣い。ED、領域シフトから脱出するエルザのシーンでワーグナーの名前が出た瞬間、「ゼノだ、私は今ゼノサーガをプレイしている…!」という実感を獲得しました(笑) やっぱり引用がないと寂しいですよ。EP2からあっさり普通味な台詞ばかりどころか根本的に言葉の組み立てが浅いというか日本語がごにょごにょ。
 EP2以降は、マーグリスもあの過剰な表現で俗世を見下した宗教的な選民思想的な雰囲気が薄れたなぁとか。
 最初のドクトゥスのラテン語は「だからどうした?」で投げっぱなしなのでノーカウント。まあシナリオライターに引用を使いこなす下地がないとお寒い空振りになるだけですしね……

 Jr.もアルベドもEP2ですっかり引用を織り込まなくなって、幼い外見と博識のギャップ、狂気と博識のギャップが無くなったなぁとか残念無念に思いましたが、でもまあEP3ではレンヌ・ル・シャトーで古代アラム語とかわかってしまうJr.とかがあったので、まだヨシ(笑) やっぱり聖書関係には強いなJr.は。

 あと小難しく持って回った言葉遣いをしろというのではないですが、ヴィルヘルムの口語にはもう少し気をつけてほしかったです。少し砕けすぎている時があったので、KOS-MOSが鍵を破壊した時くらいしか動揺らしい動揺を見せなかったくらい最後まで泰然と『超人』で在り続けたラスボスらしく、最低限、彼だけは砕けた言葉を無しにしてもらいたかった。


 音響演出は、選曲が凄くマトモになったと思います。サントラのライナーノーツを読むと、今回は発注期間は凄いなぁと思いますが、曲注そのものは真っ当に行われたようですね。音量が寝ぼけてますけど(笑) イベントはムービーとの調整もあるので難しいかもしれんですが、戦闘BGMはもうちょっと音量上げてくれてもよろしかろうと。テイルズのように個別音量が設定できないのは、テイルズはアニメがちょろっとだけでほぼすべてリアルタイムな一方、ゼノはリアルタイムも多いけどムービーが少なくないからなんだろうなあ。
#まあ、EP2の演出が尋常でなくおかしすぎたってのがね……ムービー渡して音楽依頼しておいて、ムービー作り直しで尺が合わなくなったのか、曲を切り刻んだり他の曲を継ぎ接ぎしたり本来の意図とかけ離れた使い方(サントラの曲名との不一致率は眩暈が)していれば、まあ音楽とシーンの相乗効果なんて望めるはずもねえよなEP2。弄ってないのはたぶんOPイベントとかモモのY資料流出とかじゃないのかとか。

 好きな曲は戦闘では頭一つ飛び抜けて「godsibb」、数パターンある「hepatica」シリーズ、何だか懐かしさを感じる「the battle of your soul」やアベルの方舟フィールド曲、後はEP2アレンジ物も好きです。「she's coming back」とか、「assault」アレンジのミルチア最後の夜フィールドとか、「fatal fight」アレンジのマーグリス戦とか、「opening theme」アレンジのEDメドレー4分過ぎとか。
 「hepatica」は、T-elosとの戦闘に使われたのは吃驚しました。でもこういう連続的な流しっぱなしは好きだ、クロノ・クロスを思い出します。

 とりあえずサントラ完全版を出してくれないと困りますよ本当に。封印していたラスト曲を聴いたんですが、やっぱり、メドレーってひでぇ。一つ一つが短すぎるし、そもそもジン兄さんとの別れの曲が入っているように聞こえない……あああ。最低4枚組で行かなくてどうする。自分でぶった切って繋いで作るしかないのか……とりあえず「godsibb」を編集して7分くらい絶え間なくループさせてみたら、ドツボにはまりました(笑) うん、ヤバイ。
 曲リストも作り始めていますが、曲だけ聴いていても流れていた記憶が薄いのは音量のせいですか。


 映像。ううむ、だいぶマシになったかなとは思いますが、やっぱり全体的にはEP1の水準を求めたくなります。EP2の底辺は脱出してますけどね!(笑) サントラのライナーノーツにある高橋氏の「正直映像演出的にはどうだろう?といったシーンが多々あったにもかかわらず、…」というお言葉に肯きたくなるムービーは、そこかしこにあります。
 特にアクション系、カメラワークやカット割りなど映像的に演出で「見せる」シーンに弱いのではないかと。でもまあキャラの動きは、ちゃんと『嘘』も交えるようになったのでヨシ。ヴォイジャーに突っ込んだシオンの動きとか引っかかったのは動きそのものより、そういう動きを冗長に垂れ流す演出がまずアレなので。『リアリティ』とは『本物』と『嘘』の適度な配分によって生み出されるのです、と。
 ミクタム地下のT-elos襲撃はカメラぶれすぎ。というか何を考えて揺らしっぱなしなんかしてるのか。レンヌ・ル・シャトーでの戦いでは、こんな余計なことはしてなかったのに。
 EDの白鳥の騎士も、羽ばたきが……いやホント台詞も音楽も持って行き方が素で燃えたのに、何故あんな、へチョイ羽ばたき方をさせてしまったのか……てめえ、光の翼っていったら、そうじゃないだろう……! ここら辺の発想はEP2のパトラッシュに通じる寒さがなきにしもあらず。

 その一方で、心情や会話、訴えかけがメインのシーンは、カメラを外したり口元のアップなどを使って、あとは音楽の勢いで割と綺麗に収まっている印象です。
 バージルとフェブロニアの再会は、フェブが背後からバージルを抱きしめ同時に「Febronia#2」が一気に盛り上がるところが最高。この二人の関係は大好きだ。
 あとはEDのアレン君の大活躍とか、ジン兄さんとの別れとかジン兄さんの死とか白鳥の騎士の羽ばたき以外とか、真っ暗闇からミユキの声が届いて曙光が現れるまでとか、旅立ちとか、希望ある雰囲気が良かったなぁ。

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