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AGE小説4巻!


独自路線が強くなってきたー!
ラストに向けて突っ走り始めて面白い、面白いけど、痛い……・゜・(ノД`)・゜・

特務隊時代やアセム&白AGE2についてやたら美しく書かれ、また語られていただけに、キオ誕生までは少なくともアセムは希望を持っていただけに、その後の子世代の絶望と破綻が哀しく、痛ましい。
しかもユノアはもう学生時代のクーデターで両親を嫌悪してるけど、アセムは政治家になろうって思ってる頃にはまだ、父親も世界も信じたいと思ってるし信じてるんじゃないか。
それが海賊として再会したらあの親子喧嘩だよ。
泥沼なんてもんじゃないよ。
そもそもアニメじゃぼかされてたアセムの進路が小説版では政界行き&講和を目指しその中心たらんとしていたのが明言されたわけで、そこから信じていたものをすべて捨てて海賊って、落差がとんでもないことになってるよ。

フリットが為したこと為さなかったこと切り捨てたこと、そうした結果の上澄みが28歳のアセムが信じていた希望なら、その後のアセムとユノアを押し潰してしまったのはフリットという良くも悪くも強烈すぎた光の影であり闇であり、父親と世界への絶望であり、奥底に分厚く降り積もった醜悪なヘドロなんだろう。
だから「大人になれなかった」なんだろうか。
あのフリットの『子』という呪縛から抜け出せなかったんか。
兄妹二人とも父親の歪みを一身に背負って闇に落ちるとか、悲惨だ。

いやしかし小説版フリットはこれ本気でアセムの戦死で糸が切れちゃったんだな。
もともとアセム篇時代からフリットが息子を愛してやまぬのは端々の描写から痛いほどわかるんだけど、その愛情がフリットの中だけで怖ろしく自己完結しているところがあって表現が斜めってるのもひしひしと感じていたので、海賊発覚のサルガッソー戦でアセムがキオの方へ向かった後に入った、あのフリットのモノローグにどうしようもなさを痛感してしまった。
きっと息子は信じてたよ、絶望して失踪するまでは。
ウルフ隊長、やっぱ息子に親父許してやれってだけじゃ駄目だったよ破綻しちゃったよorz

ってかアセムの「こうもなろう!」の元ネタがアレだと思うとね、もうね。貴族主義でちょっと気になってF91引っ張り出したら、たまたま元ネタに出くわしてしまって頭ドカンとしたよ。
ほとんどのUC物は台詞ネタわかるほど私は知らないし、まともに見てるのF91とかクロボンとか83とかくらいでさ、パロディ台詞なんて形だけだよ言い回しだけだよ(でなきゃユノア…)と思いつつ、元ネタで「人類の9割を殺せ」だったのが「人類を救え」になってるわけで、これがアセムの背負ったものかと思うと、さすがに悲哀を感じずにはいられんよ!

ユノアさんのパロディ台詞もね、ノインさんの台詞と来たらね、それ兄妹の再会で使うには情念こもっててちょっと怖いんだけど、「かつて恋い焦がれた兄」とか語られてるし、すっかり根性入ったブラコンだなあ! 読み進めながら海賊発覚が怖い再会が怖いとビクビクしてました。
あと兄の生存を知ってて繋がりもがっつりあったユノアのモノローグで、アセムについて「自分の誇りに殉じた」とあったのは、アセムがアセム・アスノを殺してアッシュになったことを含んでいるのかしらん。

ゼハートのクロボン台詞はちょっと笑ってしまったけども。
相変わらず執着というか、アセムへの憧れや羨望の裏返しみたいなものを感じてしまう。ダウネスで最後わかりあっていったん純粋化した感情が、アセムが死んだと思ったり、息子と戦ったり、冬眠による時代のズレとともに噛みしめて感傷的になってたのが、実は生きてるうえ家族捨てて海賊だとわかった瞬間ああいう形で爆発しちゃってからに。
キオと話してるときは何か理由があるに違いないと押さえてたけど、今回は会話どころか声を掛けることすら出来なかったから、次の機会が楽しみだな!

まあ、死者は美しいからな……
特務隊のアセムも白AGE2もひたすら美しかったからな……
4巻読み始めた当初、あまりにアセムとその周辺が美しいから、小太刀先生の主人公補正のターゲットがフリットからアセムに移り変わったのか!?と狼狽えたりもしたんだけど、そんな問題じゃなかったんだぜ。
後にアッシュのどん底っぷりがわかってからは、むしろあの十年は『失われるもの』として美しいんだと思って哀しくなった。

ラーガン→アセムは小説版じゃウルフ隊長を挟んだ関係だけでなく入隊時の教え子でもあったりするし、あと晩年の後悔と絶望がアセムの戦死によるのかと思うと『追憶のシド』が正史じゃないとわかっていてもウィービックを思い出してうぎゃあと一瞬思ったけど、正史じゃないんだから何かあるわけもなく、あと小説版はシドとの交戦記録がAGEシステムにちらっと残ってて海賊がアセムを殺したとかいう誤解も発生してないみたいなので、落ち着け私。

しかしオリバーノーツ基地司令がアセムのことに触れたのはビックリだった。
アセムはそういう象徴だったんだなあ……
4巻二周目だと、アセム・アスノと白AGE2は美しいまま希望とともに死んで、残ったのは黒く濁った傷だらけの絶望なんだなあと、つくづく思い知らされて痛い。

……これ、子世代に救いはあると信じていいよね?
ここまで絶望こじらせてしまって、物語の最後に本当に綺麗なものを一つくらい、二人にも手に入れさせてやってくれないかな。


セカンドムーンでAGE3がレギルスに勝った(笑)
イゼルカントの妄想をここまでこの段階でここまで叩き潰したからには、ゼハートがうっかり血迷う展開にならないんじゃないかって期待したくなる。

でも次にFXがあるのでAGE3はいいんだけど、ダークハウンドも盛大にぶっ壊してるんだけどどうすんのこれ。下半身の予備あるのダークハウンド。
換装機能は残っててもAGEシステムないからたぶんアデルみたく格納庫換装になるんだろうし、アセムの技量で予備が必要になることが海賊業ではまずないだろうし。

そしてロマリーさんが何の仕事をやっているのか結局謎のままな気がするのですが。何をしにエミリーとトルディアへ行ったのかわからないままなんですが。母親の仕事についてキオも何も知らないみたいだし、小説版じゃエミリーも工学系だし、なによりロマリーがプロローグで「道を探すため宇宙にあがった」とか書かれていたから、前線とは別の場所でまた素敵な魔女になっているんじゃないかと戦々恐々なんだぜ。
まあユノアが先に化けたけど。
ロマリーとエミリーが共犯なら、ユノア→ロマリーの感情が不明だけどエミリーのことは嫌っているみたいなので、ロマリーとユノアの共犯の線が薄れるかなあ。
ここの女三人がどんなポジションなのか、引っ張ってるからには何かありそう。
アニメと肉付けまるっと変わっても骨組みは同じだから、5巻冒頭、キオが帰ってきたところでやっとロマリーたちと再会するんだろうし、そこでただ無事を喜びあうだけでは終わらないってことなんだろうけど。

そこにアセムが噛んでくるかどうかもだなあ。フリットとガチ喧嘩再びだったら今度は妹も兄の応援で、今まで父親にためこんでたドロドロぶちまけるんじゃないかとか……
キオとフリットが激しく言い争って挟まれたアセムがちょっと困ってるのがアニメの親子孫だったけど、小説版ではアセムとフリットがあの状態だからなあ。

あ、地球圏帰還の前にアセムとキオの初めての再会が挟まるかな。
ここの親子仲はどうなるかな。
キオの感覚的には優しさと懐かしさで好意的だけど。
ウェンディも一緒だし。


最終巻タイトルは「ホーム・スイート・ホーム」なんだな……
破綻してしまったアスノ家の『家』でもヴェイガンの『故郷』でも、すべて終わって帰れるところがあればいい……帰ることができればいい……


ところでp359に詰め込まれてる歴代主題歌ネタはこれ結局どれだけあるの。
とりあえずV、G、08、種運命、00、AGEはわかった気がする。


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