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活撃刀剣乱舞、終盤感想。


活撃刀剣乱舞。ツイッターでもさらっと書いたけど、終盤の感想もっかい。
和泉守兼定と堀川国広は土方歳三の生と死を分け持つ運命であり、この物語は兼さんと堀川がそれを再確認する旅だったのかなあとか考えてた。

※活撃アニメだけで原作ゲームやってない人間の感想です。アニメも前にやってたのはファン向けっぽかったので見てない。今は機会があれば見てみたくなった。ついでにpixivでブクマ多いの適当に拾い読みしたので名前とか刀関係とか活撃でメイン張ってる以外もちょっと覚えられてきたけど、いろいろ史実と公式設定と浸透しまくった同人設定の区別がよくわからん気配に戦慄が走った。
閑話休題。


箱館戦争、和泉守兼定が土方さんの死地に添い遂げることが叶う可能性が堀川と兼さんの目の前にあり、もしこのまま堀川国広と一緒に喪われても刀一振りの行方ごときで歴史は歪まないだろうと楽観視できそうなくらい、作中での歴史の辻褄合わせは強力だった。
一度は土方さんの生死を覆そうとした堀川が、新撰組に入隊しても結局、決定的な改変を起こすような真似は何も出来ず終いだったのに、これならと実行できたくらいには、和泉守兼定の行方は歴史の大局からすれば些事でしかないと物語的にも位置づけられてると思う。
だから兼さんが和泉守兼定を故郷に送られる歴史に正したのは、必ずしも歴史改変を防ぐ使命に従っただけではないのではないか。

土方さんと兼さんの会話は、使命にある歴史を守る云々以上に、土方歳三と和泉守兼定の私的な『歴史』を守りたかった意味合いが大きいのではないか。
生きている土方さん自身が和泉守兼定を故郷に帰したことに、確かに意味があったのだと、土方さんに添い遂げられなかった未練だけでなく、土方さんから託された矜持もこの身にあるのだと、兼さん自身が(どっかでわかっていたことでも)改めて納得できたのが、この物語の救いであり答えなんじゃないか。

土方さんの最期の瞬間、その死を全身全霊で悲しめたのが救いでもあると思った。
、ふたりが未練も矜持も全部ひっくるめて肯定/受容できたからこそというか。介入せず見届けることは見捨てることでなく、無力とか後ろめたさとかでなく、ひたすら純粋に悲しめるというのが。
和泉守兼定は土方歳三の命を託され帰郷し、堀川国広は土方歳三の死地に添い遂げる、土方歳三の『生』と『死』を分け持つのが運命だったからこその物語として。


ぶっちゃけた話。土方さんの死と、兼さんの未練、一つの状況で二つの異なる問題をごっちゃに扱うからこのアニメ、話の収まりが悪かったんじゃないかしら?と思った。
兼さんと土方さんのあの会話を本題に据えるなら、堀川の離脱も、歴史を揺るがさず土方さんの死を覆すのは無理とわかったうえで、歴史の大局を歪めない軽微な改変として、せめて和泉守兼定が土方さんの死地に添い遂げる歴史を捩じ込む目的に最初から絞った方が、話の筋がブレなかったのではないかしら。
そしたら堀川離脱後に兼さんが思い悩む内容とか、何故か妙にハイテンションだった審神者がどこに向かって兼さんを後押ししたかったのかとか、いろいろもう少しずつシンプルになってわかりやすかったんじゃないかしら。

アニメで堀川が大きな歴史改変を引き起こす決定的な行動を取ってしまったり、二人が手を汚すような重たい展開が禁じ手/派生アニメで扱う問題としては大きすぎるとしたら、実際に助けるか否かの段階を長々と引っ張ってほしくなかったな。
土方さんの生死問題は原作ゲームでも言及あるらしいけど、問題が大きい分だらだら語ってたら話がそちらに引きずられちゃうのよな。

あと最初の火災で救助活動したときから、二人が歴史を歪ませる人間を助けてしまって殺さなきゃいけなくなる展開の前振り?って可能性は頭の隅っこにずっとあったので、よけい惑わされたかもしれんけど。
まあそうなったとしても二人が本当に手を汚してしまう前に、問題の人間が自分でケリつける展開になりそうだなとも思ってたけどね!

とりあえず兼さんは愛でたくなるひとだった。うむ。


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