発生時期:1ヶ月後のナタリア合流〜クリア
ジェイド スター、あなたは被験者ですか? スター はいなのです ジェイド ではレプリカ――もう一人の自分を作られましたか? スター はいなのです。ディストという気持ち悪い人にやられたのです。 ジェイド やはりディストか。それはいつ頃ですか スター 多分半年ぐらい前なのです ジェイド コーラル城でルークとアッシュが完全同位体と知ったのなら時期は合うな
最後にひとつ。もう一人のあなたはどうなりましたか?スター …多分死んだのです ジェイド …多分? スター 実は自分は一回死んだのです
その後何かが入ってくる感じがしたと思ったら、自分は死んでいなかったのです
その時はもう一人の自分はいなかったのですジェイド ! ディストは完全同位体研究を完成させたのか?
ではあの時の研究結果は偶然ではなかった…?
発生時期:終盤グランコクマでアッシュと会話〜アッシュ死亡
ジェイド 私たちと協力する前の話になると思いますが、アッシュがあなたのところへ来ませんでしたか? スピノザ ! ジェイド 多分話題は、ワイヨン鏡窟で行われていたディストの実験について スピノザ …確かにその通りです。 アッシュはコーラル城で自分とルークがただの同位体ではなく完全な同位体であることを知ったようでした ジェイド それで、ワイヨン鏡窟のチーグルが自分たちと同じ完全同位体ではないかと気づいた スピノザ はい…。そしてそれは正しかったのです。 ネイス博士はバルフォア博士の理論を元に、ルークレプリカ作製時の事故を実現したのです。 何とか完全同位体の作製には成功しましたが、その後音機関は壊れてしまって再現情報も失われてしまいました ジェイド アッシュは完全同位体が誕生した場合の被験者の負担について聞きましたか? スピノザ はい ジェイド では音素乖離による緩やかな放出現象を説明した? スピノザ 学術的な説明では難しすぎますから大爆発の時期に向けて徐々に体力や譜術力が失われていくことは… ジェイド その説明では…アッシュが誤解している可能性がありますね スピノザ 誤解? ジェイド いえ…。彼の無謀な行動の理由がようやくわかっただけです。 もう…手遅れでしょうがね 【外に出る】 ルーク もういいのか? ジェイド ルーク。私はこと研究においてあまり失敗したことがありません ルーク なんだよ、それ自慢かよ ジェイド …そうですね。今度ばかりは私のはじき出した答えが間違っていればいい、と思います ルーク うん? そうなのか? ジェイド まあ、あなたは私の想定外の事をやらかしてくれますから もしかしたらとは思っていますがね
発生時期:アッシュ死亡後(チャット)
ジェイド ルーク。辛い話を聞くことになりますが…アッシュはどのようにして亡くなったんですか? ルーク …オラクル兵に囲まれて、剣を…体中に刺されて… ナタリア …アッシュ!! ジェイド その後、あなたに何かが入ってくる感じはしませんでしたか? ルーク …そういえば…。なんだか暖かいものが全身に降ってきたような気はしたけど… ジェイド …何かが出ていく感じは? ルーク うん? アッシュが死んだ瞬間、虚脱感はあったけど、別に… ジェイド そうですか… ガイ ジェイド、今のは? ジェイド …いえ…なんでも…なんでもありません…
発生時期:アッシュ死亡〜クリア
ディスト …なんですか。かつての友の無様な姿を笑いにきましたか ジェイド アッシュが死にました ディスト ! 大爆発ですか? ジェイド …そう聞くと言うことはアッシュの大爆発はそろそろだったと? ディスト そうですね。そちらこそその聞き方はアッシュの死が大爆発ではないと言っているようですが ジェイド ええ、察しの悪いあなたでもわかるのですね ディスト …何が原因で死んだにせよ この時期なら、大爆発は始まっていたと思っていいでしょう ジェイド …始まっていないかもしれません ディスト 何ですか、それは! あなたが完全同位体の理論をまとめたんじゃないですか!
自分の研究が信じられないのですか! 私の知っている金の貴公子ジェイドはそんなことを言う人ではありませんでしたよ!ジェイド 気色の悪い二つ名を付けないで下さい ディスト それとも…そんなにあのレプリカが大事ですか? この親友であるサフィールより! ジェイド あなたと比べれば床の埃だって価値がありますよ ディスト いいですか? コンタミネーション現象は免れません
たとえあなたの才能を持ってしてもねジェイド 分かっていますよ、そんなことは。私は死者の復活に失敗した人間だ。運命は変えられない ディスト …記憶は残るのですよ ジェイド いえ、記憶しか残らないんですよ
ビッグバン<big bang>: 宇宙の始めの大爆発。
コンタミネーション<contamination>: 汚染(すること、された状態)。不純物。
アクゼリュス崩落後の初登場時点で、被験者スターは既に衰弱が始まっていた可能性が高い。
生き残ったスターは、レプリカの檻に閉じこめられていた方。しかし自分のことを被験者であると自覚。
自分の死を実感しているが、何かが入ってくる感じがして、死んでいなかったと語る。
被験者スターの死因は特に触れられていないが、純粋に大爆発による可能性が高い。
被験者スターの意識が、どの段階で、消失する被験者の身体からレプリカの身体に移ったか不明。
→コンプリートガイドから考えると「入ってくる感じ」は、まだレプリカの記憶?
被験者スターがレプリカをどの時点で何をもって「多分死んだ」と推察したかは不明。
互いの檻の中は見えず、また観察者も存在しないので、主観的なことしかわからない。
同位体の定義と完全同位体の定義、その差違。
固有の音素振動数が等しい物質が同位体、完全同位体はフォミクリーによって発生する外見も等しい同位体?
同位体は基本的に、自然には発生しない。唯一の発生例がアッシュ(ルーク・フォン・ファブレ)?
通常のレプリカは外見こそ(遺伝子的に?)似通っていても音素振動数は等しくなく、同位体ではない。
→この世界における一卵性双生児などもその類と思われる。
大爆発現象。
公式コンプリートガイドによると『完全同位体の被験者(オリジナル)に発症するもの。同じ存在であるレプリカの情報を回収するため、音素乖離してレプリカを吸収し、オリジナルと再構成する現象。結果、レプリカは存在していた時の記憶をオリジナルに残して消滅し、オリジナルは2つの過去の記憶を持つことになる。』
原文まま。……2文目の主語が微妙におかしい気がします。
また、1文目の「被験者(オリジナル)」と2文目以降の「オリジナル」の、単語の使い分けの意味は何か。
被験者の身に発生する音素乖離による緩やかな放出現象は、大爆発の前段階。
乖離し放出された被験者の音素は、同位体であるレプリカに引き寄せられコンタミネーション現象によって取り込まれる。
被験者には、徐々に体力や譜術力が失われていくという自覚症状がある。
また被験者が大爆発以外の要因で死亡しても、被験者からレプリカへの音素の移行/コンタミネーション現象は止まらない。
大爆発の定義。大爆発という単語は、おそらく作中で二つの使われ方をしている。
広義には、上記の前段階(被験者からレプリカへの音素の移行)も含む。統合前でも「大爆発は始まっていた」と表現する。
狭義には、前段階が完了後の最終段階で発生する、被験者とレプリカの統合現象そのもの。
大爆発の最終段階が発生した時点で、ディストの発言やスターの例のように、被験者は一度「死亡」する。
障気中和以降のルークは致命的な第七音素乖離を発生させている。この時点で、死は不可避と宣告されている。
ルークの第七音素乖離は緩やかながらイオンと同様の現象で、アッシュ→ルークのように回収されてはいない。
被験者から乖離した音素を受け取る側であるはずのレプリカすら音素乖離を生じている場合は…???
アッシュとルークの場合、死亡直後の一気に音素/能力が移行したらしき後もアッシュの遺体が残り続けていたため、大爆発の最終段階にまで達したとすれば、EDのローレライ解放後(最後の光の爆発?)ではないかと思われる。
→この時点で、ヴァンとの決戦やローレライ解放での負荷もあって、もうルークは消滅寸前…?
大爆発完了後も、被験者とレプリカ双方の記憶は残る。どのような形で記憶※が残るかは不明。
スターの場合は両方の経験を、今の自分が主観の記憶として認識している。
双方が自我同一性を確立させていた場合、大爆発後の自我同一性がどうなってしまうのか…???
また被験者の肉体は音素乖離によって最終的に消失するが、大爆発後の元レプリカの肉体が、そのまま第七音素のみで元素結合されているのか、被験者のように第一〜第六音素によって元素結合されているのかは不明。
→再構成の時点で被験者の第一〜第六音素を利用して元素結合=自然発生する生命体と同じになるのかもしれない?
アッシュの「誤解」。スピノザより大爆発の前段階のみの解説を受け、大爆発=音素乖離による自分の消滅と解釈した可能性が高い。何よりアッシュは生き残ったスター=レプリカの檻にいた方で、被験者は跡形もなくなっているとしか知らない。
- ※記憶の分類 →心理カウンセリング用語辞典の各項より引用
- 自伝的記憶 人が自分の生涯を振り返って再現する、個人的な記憶のことです。自伝的記憶は、強い感情や個人的な意味を含んでいて、アイデンティティと密接に関係しています。
エピソード記憶 宣言的記憶のひとつで、ある特定の出来事に関して記憶されるものがエピソード記憶です。ある時、ある場所で起こった事柄を手がかりに思い出すことのできる記憶のことです。
しかし、その解釈を指してジェイドは「誤解している」と表現。さらに「もう手遅れでしょうがね」と言う。
スピノザとの会話にはスターとの会話と違って発生終了時期が設定されており、グランコクマでルークとアッシュが決闘をすることになってから、アッシュが死亡するまでにしか発生しない。
この時点での認識・推測可能な状況は、
・アッシュは大爆発の前段階において被験者が衰弱すると知って生き急いでいる以上、既に前段階が始まっている可能性が高い(だが確証はない)
・ルークは致命的な第七音素乖離が始まっており、現状で既に余命幾ばくもなく、遅いにしろ早いにしろ死は不可避な運命。
→ここで「もう手遅れでしょうがね」と諦観の推量表現を用いるならば、それ以前の何処かの段階であれば、今は手遅れだろう何かに手の施しようがあった? もしそれがアッシュの誤解を解くことならば、誤解が解けたことで発生したかもしれない意味/メリットがジェイドにあるのか? それとも…?
→またアッシュ死亡後は会話が発生しなくなることから、以降は「もう手遅れでしょうがね」という推量表現が相当しない? 何かしらの事態がアッシュ死亡を境に、限りなく断定的な推量/まだ途中/未来から、完全な断定/結果が出た/過去へと移り変わった?
「何かが入ってくる感じ」/「何かが出ていく感じ」
死に方の確認は、アッシュが大爆発の最終段階に達した故に死んだのか否かを確認するためのもの。
「入ってくる」のはアッシュから乖離した音素を指していると思われるが、「出ていく」のは不明。
仮に両方とも音素を指しているとしても、大爆発の過程で「入ってくる」ものがあったレプリカから「出ていく」ものがあることが何を意味するのかも不明。
だが、ジェイドがアッシュの死に方のみならず出入りを確認するなら、大爆発の進行状況について何らかの指標を含んでいる可能性がある。
→この時のルークの返答によってジェイドは現在も理論通りの大爆発が進行中であると確信し、その上で次のディストとの会話がある?
「記憶は残る」/「記憶しか残らない」
理論通りに大爆発が完了した後は、少なくともレプリカの「ルーク」という存在は「記憶しか残らない」ことになる。
また二人とも、このアッシュ死亡時点では大爆発が進行中の段階であるという認識だと思われる。
ジェイドの「始まっていないかもしれません」という発言は「そうであれば良い」という彼の願望を含んでいると思われるが、それに対するディストの強い反論に何も言い返さず話を逸らしてしまう点から、アッシュ死亡後のこの時点で、もはや大爆発が始まっているか否かは論じるに値しない題であり、畢竟ジェイド自身「実際は始まっている」という確信をほぼ得ていることになる。
→ただし上記発言時点で話の対象はルークのみに絞られていたため、即ち被験者の「アッシュ」ならば記憶以外も残ることの証明には些か不足。
大爆発によって再構成された存在は、いったい「何者」となるのか。
個人的には、EDの「彼」は「アッシュ」でもあり「ルーク」でもあり、厳密には「どちらでもない個」になるのではないかと思ってます。
ゼノギアスは解離性同一性障害でしたけど、本来の基礎人格である「臆病者」でもなく代理人格である「イド」でもなく、その二つの人格両方がステージを降りた故に発生した空っぽの模擬人格「フェイ」が、「臆病者」と「イド」双方の記憶と感情を受容することによって人格統合が行われたように。
既に二人とも自我を持っている以上、統合したら「アッシュ」と「ルーク」の両方の記憶と感情を受容した、新たな人格が発生せざるを得ないのではないかと。
というか、たとい理論的にはアッシュだとしても、統合を果たした時点で結局アッシュのままではありえなくなるだろうと。
結局、EDの帰還者は「死者が生き返る」奇蹟ではないのでしょう。
アッシュは敵に刺し殺されて死にました。ルークも第七音素の乖離によって間もなく死んだでしょう。
アッシュもルークも、それぞれの理由で、それぞれ死ぬのです。
被験者/レプリカという関係のせいか、二人とも無自覚で自他の境界線が曖昧になっているような時もありましたが、
ルークの「生」もアッシュの「生」も、ルークの「死」もアッシュの「死」も、それぞれ自分だけのものとして存在したのです。
だから、その意味ではルークもアッシュも不帰者となるのでしょう。
ただ、死によって二人のすべてが消えてしまったわけじゃないんだよな、と。
何一つとして帰って来れなかったわけじゃないんだよな、と。
僅かな救いでもあり、とてつもない十字架でもあるなあ……
以上、完全同位体と大爆発とEDについての個人的な考えでした。
ああでも小説を書く時には、これはこれ、それはそれ(笑)
2006.1.29 第二稿 「誤解」から加筆修正
2006.1.28 第一稿 公開