資料: 真デュエルモンスターズ II 〜継承されし記憶
last update '01.12.8.→またまた加筆修正


【配役のおさらい】
闇遊戯 → ヘンリー・テューダー/ヘンリー7世
城之内 → クリストファー・アースウィック
 → マーガレット・ボーフォート
杏子 → エリザベス・オブ・ヨーク
本田 → トマス・グレイ
双六 → ジャスパー・テューダー
ペガサス → トマス・スタンリー
シャーディー → ジョン・モートン
海馬 → クリスチャン・ローゼンクロイツ
闇バクラ → ジャック・ケイド/ジョン・モーティマー

※杏子=エリザベス・オブ・ヨークはゲーム中では明言されていませんが、ヘンリーの婚約者といえば、やはりそうなのだと思われます。ゲーム中で伏せられていた(婚約者でありながら「アンズ」でしかなかった)のはヨーク家の人間だから?
※マーガレット・ピーヘン・ボウフォートの「ピーヘン」の由来ですが、なんとこれは実は濁音ではなく半濁音、「Peahen」と書いて、雌の孔雀を指す英単語から。


【薔薇戦争】(Wars of the Roses)
→1455〜1485。百年戦争直後にイギリスで起こった、英王位継承争い。ランカスター家とヨーク家の対立を中心に、英の有力貴族だけでなく仏王室まで巻き込んだ内戦となる。ランカスター側のヘンリー・テューダーがヘンリー7世として即位した後、ヨーク側のエリザベス・オヴ・ヨークと結婚したことで終結する。


【百年戦争】
→1339〜1453。英仏王家の複雑に絡みあった血縁関係から起こった、仏王位を巡る争い。英王エドワード3世がフランスのカペー家の血(母方)を引いていることを理由に、仏王位を要求し出兵したことが発端。最終的にフランスが国土のイギリス領のほぼ半分を占めていた英領を、カレーを除き取り戻して終戦。この結末に対する不満から英貴族はランカスター家とヨーク家の争いに加わり、薔薇戦争を拡大させる要因にもなった。


【赤薔薇/ランカスター・ローズ】(The Red Rose of Lancaster) [写真]
→ランカスター家の紋章。「ロサ ガリカ オフィキナリス(Rosa gallica officinalis)」がそれと言われている。オールドローズなので、普通「薔薇」と言われてたいていの人が思い描く、あの華やかな花の形はしていない。半八重大輪。


【白薔薇/ヨーク・ローズ】(The White Rose of York) [写真]
→ヨーク家の紋章。「ロサ アルバ マキシマ(Rosa alba Maxima)」がそれと言われている。これもやはりオールドローズなので一般的な薔薇の形をしていないが、ランカスターの赤薔薇ともまた違う形をしている。八重。


【ヘンリー・テューダー/ヘンリー7世】(英:Henry Tudor/Henry VII)
→1457〜1509。在位1485〜1509。父はヘンリー六世の異父兄弟リッチモンド(Richmond)伯エドマンド・テューダー、母はエドワード3世の庶子の玄孫マーガレット・ボーフォート。ランカスターの血は母方からである。
 ヨーク朝成立後はエドワード4世が一度王位を追われるまで、ヨーク派の貴族の元で暮らす。1471年に父方の叔父ジャスパーに引き取られ、数年ぶりに母と再会するが、直後ジャスパーと共に、ランカスターと同盟国であるブルターニュ公国へと亡命する。薔薇戦争末期に仏王室の援助を受け帰国。ボズワースの戦いでリチャード3世(ヨーク朝で3番目かつ最後の王)を敗ってヘンリー7世として即位し、テューダー朝を成立させる。その翌年、彼自身の王位継承権の低さを補うためもあって、婚約者であるヨーク家のエリザベスと政略結婚した。
 ちなみに「ウェールズ人」というのは、「ケルト系ブリテン人」のこと。


【マーガレット・ボーフォート】(英:Margaret Beaufort)
→1443〜1509。ボーフォート家の女伯爵。ボーフォート女伯とも、リッチモンド女伯とも。最初の婚約者が結婚前に死亡し、12歳の時にリッチモンド伯エドマンド・テューダーと結婚。その翌年、夫が病死した三ヶ月後の1月28日にウェールズのペンブローク城でヘンリーを産む。ヘンリーとは彼が4歳の時まで一緒に暮らすが、1470年の一週間だけをのぞけば彼が7世として即位するまで会うことはなかった。
 1459年にバッキンガム公子ハンフリー・スタフォードと再婚するが再び死別、トマス・スタンリーとは三度目の結婚になる。しかしそのどちらでも子は出来ず、彼女にとってヘンリーは唯一の息子である。


【クリストファー・アースウィック】(英:Christopher Urswick)
→1448〜1522。聖職者(イギリス国教会がつくられる前なのでローマ・カトリック教=結婚不可)。ランカスターに縁ある学校の出身で、ケンブリッジ大学では修士号取得。
 当時の下位聖職者は貴族のお抱えも多かったらしく、彼もそんな一人で、薔薇戦争においてはマーガレット・ボーフォート女伯の私的なエージェント兼メッセンジャーとして動いていた。ヘンリーとエリザベスの政略結婚の交渉を受け持ったのも彼である。また、ヘンリーがブルターニュにいた頃は、彼が住まっていた城にある礼拝堂の司祭(confessor:告解を聴く聴罪司祭)にも任じられていた。ミルフォード・ヘヴン上陸にも同行。
 戦後はウィンザーの学部長に。外交官としては、ヘンリー7世とエリザベスの息子の婚約などを渉外した。


【エリザベス・オブ・ヨーク】(英:Elizabeth of York)
→1465〜1503。ヨーク朝最初の王エドワード4世とその妃エリザベスの娘であり、エドワード5世の姉。そのため王位継承権はヘンリーよりも上になる。『King Richard III』においてはリチャード3世にも求婚されていた。彼女がヘンリーと結婚したのはヘンリー7世即位の翌年だが、婚約したのはヘンリーがまだリッチモンド伯だった頃である。
 ちなみに彼女の母エリザベス妃(エリザベス・ウッドヴィル)は、もともとランカスター側の貴族の娘だった。


【ジャスパー・テューダー】(英:Jasper Tuder)
→1431?〜1495。ヘンリーの叔父(つまり父の弟)であり、後見役。ヘンリーと共にブルターニュ公国へと亡命した。ヘンリーの父エドマンドと共に、父はオーウェン・テューダー、母はフランス王シャルル6世の娘でありヘンリー6世妃キャサリン。


【トマス・グレイ】(英:Thomas Grey)
→1455〜1501。初代ドーセット(Dorset)候。母はエリザベス・ウッドヴィル(Woodville)で、エリザベス・オブ・ヨークとは異父兄妹になる(前の夫の息子)。リチャード3世の戴冠後、ヘンリーと手を組んだ。
 実は父子が同名だが、ここで取り上げたのは『King Richard III』にも出番があった父の方。ちなみにどちらもドーセット侯である。


【ジャック・ケイド/ジョン・モーティマー】(英:Jack Cade/John Mortimer)
→1420-30〜1450。1450年5月の、薔薇戦争の発端ともなった、ケント(Kent)で起こったヘンリー6世への反乱の主導者。反乱に関わったのは農民が大半だったものの、修道院長なども加わったらしい。ロンドンから逃れるさなか、殺された。
 反乱の中で元は貴族の生まれだと主張、「ジョン・モーティマー」と名乗る。


【ジョン・モートン】(英:John Morton)
→1420〜1500。聖職者。オックスフォード大学出身で、イーリー(Ely)の司教(Bishop)。エドワード4世に外交任務で雇われていた。リチャード3世には投獄されるもフランダース(Flanders)に逃亡、その後ヘンリーの元で財政的なアドバイザーに。戦後はカンタベリー(Canterbury)の大司教(Archbishop)となる。


【テューダー家】(英:Tudor)
→ウェールズ王家の、三つの血筋すべての末裔にあたる。そのためウェールズ人はヘンリーをウェールズ王カソワラデルの再来、大ブリテンを治める「予言の子」と見なした。ボズワースの戦いでヘンリー側が掲げた赤竜旗はウェールズ最後の王カドワラデルのそれに由来する。ちなみに赤竜がケルト人を、白竜がゲルマン人を示す。


【ボーフォート家】(英:Beaufort)
→ランカスターの分家。薔薇戦争のさなかにランカスターの血継が次々と途絶え結果ボーフォートが残ったが、本来は継承権を有していない。マーガレット・ボーフォート女伯は自らは王位に就かず、息子のヘンリーに継承させようと様々な工作を行った。エドワード4世の死とリチャード3世の即位によって彼女の計画が狂って以降の、エドワード4世の妻エリザベスとの共同の画策は、ヘンリーがヨーク家のエリザベスと結婚することを条件に繰り広げられた。
 ヘンリーとエリザベスの婚約によって、ランカスターとヨークの対立で始まった薔薇戦争は以後、ランカスター・ヨーク連合とリチャード3世との対立の構図に変化する。


【スタンリー兄弟】(英:Stanley)
→ボズワースの決戦でランカスターに寝返ったスタンリー兄弟。兄がトマス・スタンリー(Thomas Stanley)、弟がウィリアム・スタンリー(William Stanley)。トマス・スタンリーは後にダービー伯となる。
 スタンリー卿トマスはマーガレット・ボーフォート女伯の三番目の夫であり、そのためヘンリーは義理の息子にあたる。


【ボズワースの戦い】(英:Bosworth)
→1485年8月22日。ヘンリーは5千の兵(1485年8月7日ミルフォード・ヘヴン上陸時には手勢と仏兵あわせ2千)を西に、リチャード3世は1万を東に、スタンリー兄弟は北に、それぞれ布陣。東西から衝突する両軍を、スタンリーが静観する位置にあった。
 結果は、スタンリー兄弟が総崩れになりかけたヘンリー側に寝返り、逆にリチャード側を壊滅させて終わる。このときリチャード3世は戦死、ヘンリーはその場で王冠を戴いた。正式な戴冠式は後にウェストミンスター寺院で行われた。


【King Richard III】
→シェイクスピアの作品。薔薇戦争後期が舞台。基本的にはリチャード3世側から描かれているので赤薔薇側の場面はあまり多くないが、ヘンリーはリッチモンド伯の名で登場(主に後半)、アースウィックもスタンリー卿との会話で一度登場。ただし、序盤から出番の多い「マーガレット」はマーガレット・ボーフォートではなく、確かヘンリー6世の妃であるマーガレットなので注意(この時代は同じ名前がたくさん。笑)。リチャード3世の台詞「馬をくれ」の元はここからだと。
 ちなみにジャック・ケイドは『Henry VI』の第2部に登場している。


【クリスチャン・ローゼンクロイツ】(独:Christian Rosenkreuz)
→1378生?。108歳で死去。秘密結社「薔薇十字団」の創設者。稀代の錬金術師。もともとはドイツ貴族。16歳で旅に出た。(実在の人物?)


【Mの書】
→ローゼンクロイツがアラビアの都市ダムカル(エジプトとも)から持ち帰った秘術の書。


【ストーンヘンジ】(英:Stonehenge)
→紀元前2150年〜10250年に造られたと見られる、ソールズベリー平原の巨岩遺跡。祭壇石を中心として、巨大な石柱の円が四(三)重に組まれている。天文の観測が行える。


【ドルイド】(英:Druid)
→古ケルト語「dru」(オーク=樫の木)と「wid」(知る)から。樫の木の宿り木を、神の化身した聖なる物として儀式を行い、また収集し所持していたところから「樫の木の賢者」と呼ばれる。文学や神学に倫理・法律・天文学・占術などを修めた特権階級だが、聖なる言葉はすべて文字に残されないので暗記=修行に数十年を費やしていた。


【次のネタ考え中】
→戦後には触れてませんが、何かあったらまたぼちぼち追加していきたく。でもそろそろネタ切れになってきましたか、小説の背景資料用ならまだ出そうですが。
 上記に間違いなどありましたらどうぞ御指摘くださいませ(差し障りのない発音の表記違いについては御容赦を)。特にクリストファー、トマス・グレイ、ジャック・ケイド、ジョン・モートンたちなんて、すべて英語サイトから情報を集めたので不安です(^^;





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